「おいしー！」

「うん。これは絶品だね！」

「ホント。口当たりが滑らかで、やみつきになりそうですねぇ」

　広い庭に並べられたテーブルに座り、チーズケーキなるものを食べる梨子さん、ビルス様、そしてウイス様から感嘆の声が漏れた。

「やっぱりプロが作ったケーキは美味しいです！　酸味と甘みのバランスが最高ー！」

「ええ。確かにこのチーズケーキは絶品ですね。けれど、以前梨子さんが作って下さったチーズケーキも大変美味しかったですよ」

「え？　ホントですか？！」

「ええ。ビルス様も気に入っておいででしたので、また作っていただけると嬉しいんですが」

「バスクチーズケーキですよね？　あれでよかったら、いつでも作りますよ！　あ、そうだ！　じゃあ、今度来られる時に作っておきますね」

「それは楽しみ！　ビルス様、良かったですねぇ」

「ああ。また地球に来る楽しみが増えたよ」

　宇宙最恐の破壊神と、そのお付きの天使であるお二人を相手に、和やかに話す梨子さんに私は感心しきっていた。

「食べる」ことがお好きな梨子さんは、そこがビルス様たちと気が合うらしく、普通の者ならば遠慮したくなる状況を楽しまれていた。

　そして「食べる」ことも「作る」こともお好きな梨子さんを、ビルス様たちも気に入っておいでのようで、同じテーブルに座り談笑されている。

　そのようすを、隣りのテーブルから窺っていると

「ああ、そうそう。今日はコッカ―さんにお伝えすることがあるんですよ」

　思い出したように、ウイス様が私の名を呼んだ。