いつになく、ツンとした顔がそう返してきた。

　何だコイツ。

　珍しくイライラしてんなぁ。

　普段はフワフワのほほんとしてる梨子の苛立つような態度に、密かに眉を寄せながら炒飯を口へと運んだ。

　それをゴクリと飲み込んでから

「そりゃ、私じゃ指導は出来ないけどさ……。聴くだけなら出来るから」

　そう言うと

「いいよ。マコちゃんは悟空さんとの修行があるんでしょ。私は一人でやるから」

　梨子はほっといてくれと言わんばかりにそう言うと、唐揚げに噛り付いた。

　その言い方にまた　カチン！　ときたけど

　まぁ、落ち着け。

　自分に言い聞かせて

「あ、そ。じゃあ、また聴いて欲しいと思ったら言いなよ」

　そう言って引いておいた。

　きっと、これ以上何か言うと、険悪な空気が漂いそうだ。

　そうなると悟空さんに悪い。

　料理も不味くなる。

　そんなことを考えて、言いたいことを炒飯と一緒に飲み込んでると

「あら、三人とももう食べてたの？」

　呆れたような声と一緒に、ブラちゃんを抱っこしたブルマさん、ベジータさん、そしてトランクスさんの四人がレストランに入って来た。

　レストランが急に賑やかな雰囲気になって、漂いはじめてた嫌な空気がかき消されたことに少し安心してると

「ピアノっちゅーやつのことは分かんねぇけど、真琴にきいてもらえばいいんじゃねぇか？　修行は一人でやってても、自分の力を最大まで発揮すんのは難しいかんなぁ」

　悟空さんはそう言い終わると、ラーメン鉢を持ち上げスープを啜った。