「何でそう思うんです？」

　そう尋ねると、トランクスさんは「仕方がない」とでもいうように

「梨子さんとトランクスは歳も近いですし。それに、梨子さんはよくトランクスの部屋に行ったりしてるようなので……」

　諦めたような笑顔を浮かべた。

　その、あまりにも単純な答えに

「アハハ！　ないない！　梨子はトランクスのこと何とも思ってないですから！」

　と、思わず笑ってしまった。

　片想いあるあるだなー。

　なんてニヤつきながら、勘違いをしてる恋愛初心者に

「梨子がトランクスのこと好きなら、あんな気軽に部屋に行きませんて！　そんな積極的なタイプじゃないんで」

　安心させるように笑いながら言うと、トランクスさんは「そ、そうでしょうか？」って、不安と安堵とか混ざったような、複雑な表情を浮かべた。

「そうですよ。ま、少なくとも梨子はトランクスのことは何とも思ってないです。トランクスの方は知りませんけど」

　意地悪くそう付け加えると、トランクスさんは青い目を一瞬大きくさせ「やはり」って感じの顔をした。

　トランクスさんも察してる通り、トランクスは梨子のことを意識してるようなところがある。

　やっぱり、同じトランクスだからタイプも一緒なのか。と納得したが、トランクスには一応彼女がいるはずだ。

　それを思い出し

「まぁ、でも。トランクスには彼女がいますから」

　大丈夫だって感じで言うと

「っ！　ホントですか？！」

　トランクスさんは驚いたように、青い目を大きく見開いた。