昼休み。

　いつもの学校の中庭。

　いつもの友達五人と、昼ご飯を食べてる時だった。

「俺さ……実はきのう、とうとう彼女とさ……！」

　その中の一人が、ニヤニヤしながら彼女との話題を持ち出してきた。

「何をしたか」って具体的なことは言わないけど「とうとう」なんて言ったら、最終的に辿り着くあの行為以外他にない。

　それに勘付いた俺を含む他のメンバーは、一斉に彼女との話題を口にしたヤツの顔を見た。

　最初はみんな唖然とした顔をしてたが、一呼吸置いて

「マジかよ！？」

「えっ！？　嘘だろ？！」　

　って、ショックを受けるか羨むかのどちらかの反応を見せた。

　いつもツルんでるヤツ等から、そんな反応を得られるなんて滅多にない。

　いま、話しの中心になり、その上他のメンバーより数歩……数万歩……いや、違う世界に行ってしまったそいつは

「ヘヘー。まぁな！」

　って、だらしなく緩んだ顔を更に緩ませた。

　メンバーの中には、まだ女の子と付き合ったことさえないヤツだっている。

　そいつ等から見れば、彼女がいるだけでも羨ましいのに、いくとこまでいってしまったヤツなんて、妬みを通り越してヒーローだ。

　そして、そういうコトへの興味が半端ない年頃の俺たちは、一斉に

「で、どうだった？！」

　って、食べかけの昼ご飯なんてそっちのけで、身を乗り出してそいつに話しの続きを促してた。

　

　どうやってきっかけをつくった？

　場所はどこでだ？

　やっぱり「いいモノ」なのか？！

　初体験を終えた感想を、みんなが興奮しながら聞きはじめると