まさか、お姉ちゃんを迎えた夕食の席で、梨子ちゃんたちの地球の実態を知ることになるなんて、思ってもなかった。

「この地球は平和ですよね」

　そうしみじみと呟いた真琴ちゃんの、遠くを見るような顔が忘れられない。

　ベッドに入って、二人の住む第六宇宙の地球の陰湿さを想像して、思わず溜息を吐くと

「どうした」

　ベジータが、抱っこしていたブラをベッドに下ろし、私の方に視線を向けた。

「え？　ああ。さっき真琴ちゃんから聞いた話しを思い出しちゃって……」

「……フン。くだらん星だ。バカな争いで滅んだらしいが、納得だ。ビルスが超ドラゴンボールで復活させたらしいが、また滅んでもおかしくない」

「そうならないであって欲しいけど……」

「それは俺たちには関係ない。あっちの地球のヤツ等の問題だ」

「相変わらず冷たいわね。……それにしても、梨子ちゃんの話しは驚いたわ。本当の両親を知らないなんて……」

　自然と、ベッドに潜り込んできたブラを見つめていた。

　実の子を手放すって……どんな気持ちかしら……。

　二人の子を持つ親として想像しようとしたけど、それだけで胸が痛んで、眉を顰めてると

「それもくだらん話しだ。あいつも言ってただろ。実の親に育てられたかどうかなど、どうでもいいことだ」

　ブラに続いて、ベジータもベッドに入り込んできた。

　その途端、ブラが「パパー！」って嬉しそうに、ベジータの腕にしがみ付くと

「だが、俺は子供を手放す気はない」

　ベジータはそう言って、ブラの頭を優しく撫でた。