そんなことを思いながら、テーブルに向かい合って座るお姉ちゃんと梨子ちゃんを見つめてると

「私、赤ちゃんの時に引き取られたみたいなんです。家がお寺だって言いましたけど……。そこに置き去りにされてたみたいで」

　そう答えた梨子ちゃんに、お姉ちゃんはもちろん、みんなが動揺したのが分かった。

　興味がない。って言わんばかりに、ブラをあやしていたベジータの背中まで、ピクリと反応してるのが見えた。

　思わぬ梨子ちゃんの告白に、大きさは違うだろうけど、それぞれ衝撃を受けたのは確かだった。

　その告白に対して、どんな反応すればいいわけ？！

　っていうか、まさか梨子ちゃんの生い立ちが、そんな複雑なものだったなんて……！？

　いつも元気で明るい、梨子ちゃんからの信じられない告白に、心が落ち着かないでいると

「あんたの親はおじさんとおばさんだけだって」

　梨子ちゃんの隣りに座る真琴ちゃんが、強く言い切った。

　重みを増した雰囲気を壊すような、真琴ちゃんの発言に、みんなが真琴ちゃんに視線を向けると

「おじさんもおばさんも、それに菜奈さんも。あんたのことを本当に可愛がってる。あんたの家族はあの家族だけだよ」

　真琴ちゃんは淡々とそう言ってから

「血が繋がってるから仲がいいとは限らないんだから」

　吐き捨てるようにそう言った。
　
　そんな真琴ちゃんの言葉に

　……そうよね。

　って、私はあっさり納得した。