お兄ちゃんは諭すように、穏やかな口調で真琴にそう言うと、すぐに「行くぞ！　トランクス！」俺をチラリと見て、破壊された街の方へと飛んで行った。

　何か言いたげに、お兄ちゃんの後を見つめる真琴に

「俺たちが必ず見つけて来るから！」

　俺は悟空さんのところに行くように促すと、お兄ちゃんの後を追った。



　取り敢えず梨子と別れた場所に着くと、そこは酷い有様になってた。

　建物は燃えて崩れ落ち、埃っぽさと焼ける臭いで覆われ、逃げ遅れた人の呻き声があちこちから聞こえてくる。

「ここにいる人たちを助けるぞ！　もしかしたら、梨子さんもいるかもしれない……！」

　俺たちは梨子がフリーザの攻撃に巻き込まれていないことを祈りながら、微かに感じる人の気を探り、すぐに救助活動を始めた。

　火は厄介だけど、瓦礫を持ち上げ、人を救助することなんて俺たちには簡単なことだ。

　梨子の捜索も兼ねて、お兄ちゃんと手分けして逃げ遅れた人たちを助け出したけど、ここに梨子の姿はなかった。

　心苦しかったけど、救助した人たちを安全な場所まで運ぶと、次は梨子が走って行った方向を捜索することにした。

「ここで分かれよう」

　交差点だったところで二手に分かれ、梨子を捜してると、少し離れた場所からお兄ちゃんの凄い殺気を感じた。

　まだ敵がいたのかと思って慌てて飛んで行くと、そこには倒れた雑魚二人と、梨子の姿があった。