こんな状況の中不謹慎だが、少し可笑しくなり呟くと

「この状況に、ただ呆気にとられてるだけです」

　という言葉が返ってきた。

　そして、真琴さんは次の俺の言葉にも

「この地球に来た時点で充分動揺したので、もう多少のことじゃ動じませんよ」

　溜息混じりに答えた。

　その顔を見て

「真琴さんは、俺たちが思っている以上に強いですね」

　思わず口にすると

「やっぱり連れて来なきゃよかった。って言われたくないですから」

　含みのある言葉が返ってきて、ギクリとした。

　街に行くことを反対したことが、真琴さんに不快な思いをさせてしまったらしいことに気付くと、俺の方が動揺してしまった。

　慌てて、何か弁解の言葉をと探していると、空から激しい衝撃音が聞こえてきた。

　見上げると、父さんとフリーザが、拳をぶつけ合い睨み合っていた。

　交えるお互いの拳からは、凄まじい気が溢れだし、両方から全く譲る気のない闘争心が伝わってくる。

　ぶつかり合っていた拳が離れると、更に凄まじい戦いがはじまり、その激しさから起こる衝撃波が、街全体に降ってきた。

「スゴ……。映画みたい……」

　隣りからした呆然とする声に

「さすが父さんだ……！　まだ超サイヤ人になってないのに、フリーザに負けてない！」

　俺は父さんの強さに感動し、両手を握り締めた。

　ノーマルな状態で、パワーを上げたフリーザとほぼ互角に戦えていることに、驚きしかない。

　やはり、父さんは凄い人だ……！

　いままで以上に、父さんに対する尊敬の念を強くしていると