「ほう……あなたに息子がいたとは。それは初耳ですね。そうですか……私を刻んだのはベジータ……あなたの息子でしたか……」

　そう言って不敵な笑みを浮かべた。

　いつの話しをしてやがる。

　あの時のことを、根に持っていることに呆れてると

「あなたの息子なら、もっと可愛がって差し上げればよかったですよ」

　フリーザは高揚からなのか、怒りからなのか、徐々に気を上げはじめた。

「フン。インチキ野郎め。普段のおまえになら、こいつもいい戦いをしてたはずだ」

　薄笑いを浮かべるフリーザを見据え、言い放つと

「ククク。卑怯とでも言いたいのでしょうか？　まぁ、いまの私は宇宙最強に限りなく近いですからねぇ……悔しいのは仕方ありません」

　更に禍々しくどす黒い気を放ちはじめた。

　禍々しく重い気が辺りに漂い出し、戦いがはじまる前触れを感じると

「あいつは俺に任せて、おまえは雑魚を何とかして来い」

　僅かに残っている、フリーザ軍兵士を片付けるようトランクスに指示した。

「わ、分かった！」

　トランクスは俺の指示に頷くと、地上を攻撃し始めたフリーザ軍兵士のところへ向かって行った。

　チッ！　雑魚とはいえ数が多いと厄介だぜ！

　足元で聞こえはじめた爆発音に、顔を顰めてると

「息子の方は後で可愛がってあげるとして……まずは、ベジータ。あなたから殺して差し上げますよ！」

　フリーザは一気に気を解放させた。

「やれるものならやってみやがれ。貴様のようなインチキ野郎に俺が負けるわけがないだろ」

　いかさまの力を手にして喜ぶクソ野郎に、俺は見下した言葉を投げつけた。