そう言って、ふと表情を緩めるお兄ちゃんが、まるで悟飯さんみたいでギクッとした。

　何となく気まずくて

「ま、今日は時間があるからやってもいいけどさ」
　
　口籠ってから

「それより、悟空さんたち何の修行してんの？」

　すかさず話題を変えると

「ああ、真琴さんがバリアの修行に入ったんだ」

　お兄ちゃんは、窓の外へ視線を移し答えた。

「バリア？！　真琴が？！」

　真琴がバリアを張れるまでの気を持ってることに驚くと

「真琴さんの気は神の気だから、俺たちには真琴さんの気がどれだけ大きくなってるか分からないのが残念だな」

　お兄ちゃんはもどかしそうに苦笑いを浮かべてから

「俺も神の気を感じることが出来ればな……」

　残念そうに呟いた。

　そんなお兄ちゃんの横顔を見つめながら

「真琴の気は神の気」

　そのことをすっかり忘れて、一般人と同じように思ってた自分に

　しまった……！　俺、何か迂闊なことしてないよな……？　大丈夫だよな？！

　記憶を辿りながら自問し、変な汗をじわじわかきはじめてた。

　何だか、真琴に弱みを握られたような、疑心暗鬼な感情に呑み込まれそうになってると

「でも、コツなら教えることが出来そうだから、もし真琴さんに気功波について聞かれたら、トランクスも教えてあげてくれないか」

　頼んだぞ。って感じの力のこもった笑顔を向けられ

「えっ？！　あ、ああ、うん」

　俺は引き攣りそうな顔を、何とか笑顔に変え頷いてた。