トランクス君に男の人のキスに対する意識？　みたいなものを聞いてみたけど、今回のコトに関してはあんまり参考にならないなって思った。

　やっぱり、トランクスさん本人に直接聞くのがいいんだろうけど、顔を合わせるのも恥ずかしい。

　ベッドに入ってもまだ、一人グルグル考えながら暗い部屋の天井をぼんやり眺めてると

「で？」

　っていうマコちゃんの言葉を思い出して、頭の中のポイントがふと切り替わった。

　そうだ……。

　私はどうだった？

　トランクスさんにキスされて嫌だった？

　……ううん。

　「イヤ！」って思わなかった。

　……何で？

　トランクスさんがカッコイイから？

　……ううん。

　いくらカッコイイ人でも、突然キスされたら多分……きっと私は「イヤ！」ってなる。

　じゃあ、何でならなかったの？

　何で？

　自分の胸に聞いた時、昨日のあの時の光景を思い出した。

　トランクスさんの隣りに座って、ギターを教えてたあの時。

　トランクスさんと目が合ったあの瞬間――。

　思い出して思わず「あ……」って小さな声が漏れた。

　そう。

　あの瞬間、私はトランクスさんにトランクスさんを見てた。

　未来の世界に帰った、私が好きだったトランクスさんを……。

　だから、嫌なんて思わなかった。

　それに気付いた瞬間、私の心の中に罪悪感が芽生えた。

　……私、最悪じゃない？

　トランクスさんに対して、スゴく失礼だよね……。

　そんな罪悪感が凄い勢いで心を支配していくのを感じながら、私はゆっくり静かに寝返りを打った。