「予知夢？！」

　研究室にやって来た真琴ちゃんの話しに、思わず大きな声を出すと

「いや、予知夢っていうか……デジャブみたいな感じなんですけど……。でも、コッカーさんに予知夢が見れるようになる前兆じゃないかって言われて……」

　真琴ちゃんは神妙な顔つきで、私をじっと見つめた。

「予知夢」や「デジャブ」なんて信じないような、そんな現実主義の真琴ちゃんの口から飛び出した言葉に驚きながら

「それで、真琴ちゃんもそうじゃないかって思うわけ？」

　腕を組み尋ねると

「それは、私自身まだよく分からないんですけど……。でも、もしかしたらそうなのかもしれないって思うこともあって……」

　真琴ちゃんは何か思い当たることがあるのか、私からふと視線を逸らし、躊躇うように視線を落とした。

　その、珍しく揺れる黒い瞳に

「心当たりがあるのね？」

　真琴ちゃんに話すよう促すと、揺れていた黒い瞳は、私を見るなりいつもの思慮深い瞳に戻り

「ビルス様たちとコッカーさんには話したんですけど……」

　そう言って少し間を置くと、覚悟を決めたように

「実は、夢にポメ姫が出てくるです」

　真琴ちゃんは大真面目な顔でそう言った。

　思いもしなかった話しに

「えっ、ポメ姫？！　ポメ姫が夢に出て来るの？！」

　さっきより大きな声を出すと

「最初は信じられなかったんですけど、最近顔や姿がハッキリ見えるようになってきて……。コッカーさんに確認したら、間違いないって……」