翌日。

　午前中の悟空さんとの修行を終えると、私はすぐコッカーさんの部屋へと向かった。

　部屋のドアをノックすると、コッカーさんは

「どうかされましたか？！」

　と、慌てたように部屋のドアを開けた。

　前にこの部屋に来た時も、私に変化が起きた時だったので、今回もそう思ったんだろう。

　だから私はその通りだと言わんばかりに、深く頷いた。

　すると、コッカーさんはグレーの目を大きく開き「そうですか……！」と、表情を少し強張らせると

「さ、どうぞお入りください」

　そう言って、私を部屋に入れてくれた。

　部屋の中央に置かれたソファに向かい合って座るなり、コッカーさんは

「ポメ姫に関わることでしょうか？」

　と、少し前のめりになり聞いてきた。

　その質問に、私は少し考えてから「多分……」と答えた。

　最近起こる「デジャブ」のようなことが、ポメ姫の能力によるものなのか確信はない。

　ただ、可能性は無きにしもあらずなので

「最近、前に見たことある場面に出くわすんです。その場面ていうのは、大したことない内容なんですけど……。今までそういう体験したことないんで、もしかしたらと思って……」

　目の前に座る、コッカーさんの顔を見つめると、コッカーさんは興味深そうに小さく頷いてから

「それは、もしかしたら予知夢を見る前兆かもしれません……」

　考えもしなかったことを呟いた。

　その言葉に

「予知夢？」

　眉を顰めると

「ええ。真琴さんの中のポメ姫の力が、予知夢を見るまでに成長されたのでしょう」

　コッカーさんは深く頷いた。