私の歓迎会という名目で行われた夕食の後、ビルス様とウイス様はご自分たちの星へと帰って行かれた。

　私の帰りが予想以上に遅れてしまい、お二人を拘束してしまったことを申し訳なく思っていると

「地球にいられる口実が出来たんだから、逆にコッカ―さんに感謝してるんじゃない？」

　と、ブルマさんは気にするなというふうに笑っていた。

　ブルマさんの物怖じしない気質を

　少しばかりは見習わなくては。

　と、込み上げてくる笑みを抑え自室へと戻っていると、トランクスさんが思い悩んだ表情で廊下に佇んでいた。

「トランクスさん、どうかされましたか？」

　不思議に思い声を掛けると、トランクスさんはハッとした表情をこちらに向け「あ、ああ。いえ……」と、曖昧な笑顔を浮かべてから

「あ、あの。梨子さんは、まだレストランにいましたか？」

　と尋ねてきた。

　梨子さんの名前が出て、ピンときた私は

「あぁ……確かブルマさんたちとリビングの方に行かれてましたが……。ご用があるなら呼んで参りましょうか？」

　そう申し出ると、トランクスさんは「えっ！？　あ、いえ、大丈夫です！」と、首を横に大きく振った。

　普段の穏やかな雰囲気とは違い、落ち着きのないようすに　

「あの。私の思い違いかもしれませんが……梨子さんと何かあったのですか？　お二人の距離が以前に比べて遠く感じたのですが」

　今日一日の二人のようすに違和感を感じ、思い切って聞いてみると、トランクスさんは「えっ？！」と、ばつの悪そうな表情をしてから

「ええ……あの、実は……」