惑星ドギーでのことを聞かせて欲しいとブルマさんにお願いされ、私たちは庭からリビングへと移動した。

　ブルマさんは好奇心が旺盛らしく「知らないこと」を知りたいという欲求が強い。

　もしかするとブルマさんだけでなく、この「地球人」という人たちは、そういう気質の人が多いのかもしれない。
　
　私がそんなことを頭の隅で考えていると

「久しぶりの故郷はどうだった？　ウイスさんからは最初は星の人たちから疑われたみたいに聞いたけど」

　ブルマさんが、悪戯っぽい笑みを浮かべ聞いてきた。

　事情を知ったうえでの質問に、私は苦笑いしながら

「はは……。ええ。そうですね、皆に私だと信じてもらうまでは大変でしたが、ウイス様や王のおかげで何とか皆と打ち解けることが出来ました」

　そう答えると

「そりゃ、コッカ―さんだけ四十年以上経ってるんだもん！　無理もないわね」

　ブルマさんは小さく笑いながら肩を竦めた。

　すると、すぐその隣りから

「それで、惑星ドギーのようすはどうだったんだ？　ダーブラにやられたと言っていたが」

　ベジータさんの問う声が聞こえてきた。

　その問いに

「はい……。私が惑星ドギーを出た時はそれは無残なものでしたが、ダーブラの石化が解け、王や城の者たちが元の姿に戻ったので、城の復興はだいぶ進み、以前の姿に戻りつつありました」

　所々破壊された痕跡が残る城内を思い出しながら答えると、ベジータさんは深みのある声で一言「そうか」と発した。

　サイヤ人の王子だったというだけあって、星の繁栄や存亡に関して気になるところがあるのだろう。