「おかえりなさい！　コッカ―さん」
「おかえりなさい！！」
「おかえり！」

　こんなふうに笑顔で出迎えられたのはいつのことだったか。

　地球に着くなり温かい出迎えを受け、私はふと遠い記憶を辿りそうになった。

　故郷である惑星ドギーに帰りはしたが、誰も私を「コッカ―」だとは信じてくれず

「おかえりなさい」

　と言われるまで、数時間かかった。

　ウイス様が同行して下さっていなければ、私が「コッカ―」であると証明するまでに数日を要しただろう。

　いや。もしかすると、私が「コッカ―」であるということが認められず、そのまま怪しき者として牢に繋がれるか、惑星外に追放になっていたかもしれない。

　それほど、四十年という月日は、私と故郷の間に隔たりをつくっていた。

　だが、それも仕方ない。

　ダーブラによって石に変えられていた者は皆あの当時のまま……。

　私だけが四十年という歳を重ねてしまったのだ。

　当時は父のように慕っていた王も、今や私の方が年齢が上になってしまい、見た目だけで言えば、私は先代の王から仕える老臣のように見える。

　王だけでなく、生き残った同期の者たちや私を知る者も皆戸惑いを隠せぬようすで、歳取った私の存在に慣れるまでに、かなりの日数がかかった。

　何とかこの地球に戻る頃には、皆普通に接してくれるようになったが、それはひとえに王が私を「コッカ―」本人だと認め、以前のように臣下として登用して下さったおかげだ。

　そして、再び王の元で働くこととなった私は、事の次第を知った王の命を受け、再び地球へと戻ることとなった。