何だか、逃げるように去って行くその背中に

「あ、ちょっと！　あんた、もしかしてキスはしたことはあるの？！」

　って聞いてみたけど、返事は返ってこなかった。



「結局、梨子ちゃんと何があったか分からなかったわね」

　腕を組んで歩きながら

　やっぱり、聞くならあの子に聞くしかないわね。

　そう思った私は、そろそろ孫君との修行が終わるだろう真琴ちゃんがいる庭へと向かった。

　庭に行くと、真琴ちゃんと孫君はペットボトルの水を飲んでて、丁度修行が終わったばかりって感じだった。

　丁度良かった！

　これで私の疑問がもうすぐ解決するわ！

　心の中でガッツポーズをしながら

「真琴ちゃーん！」

　って呼び掛けると

「よお、ブルマ！」

「ブルマさん？　どうしたんですか？」

　笑顔の孫君と、不思議そうな顔をする真琴ちゃんが、こっちに顔を向けた。

「お疲れ様。ねぇ、もう修行終わった？　終わったなら真琴ちゃんにちょーっと話しがあるんだけど、いい？」

　そう尋ねると、真琴ちゃんはチラッと孫君を見てから

「いいですけど」

　って、頷いた。

　それを確認すると

「じゃあ、ちょっと来てくれる？」

　私はそう言って真琴ちゃんの手を掴むと、速足で真琴ちゃんを研究室へと連れて行った。

　

　研究室に入ってすぐに

「ねぇ、真琴ちゃん！　トランクスと梨子ちゃん、何があったの？！」

　黒い目を覗き込んだ。