「あの日、すぐ洗ったんだけど、落ちなかったんだよね。血って取れにくいって言うけど、ホントだね」

　マコちゃんは、おどけたような口調でそう言ってから

「それに、破れてるのもマズイよね。向こうに帰った時、どう言い訳しようかなぁ」

　困ったふうに眉を寄せた。

　確かに、制服が破れてるうえに、血痕までついてたら、もうこれは、事件の匂いしかしないよね……。

　でも、傷跡も無く身体は元気。っていう矛盾があるから、何て説明すればいいんだろ……？

　さすがに、これは誤魔化しようがないかも……。

　私もマコちゃんと一緒に、誤魔化せるいいアイディアがないか、考えを巡らせてたその時。

　マコちゃんの制服が一瞬にして、元の綺麗な制服になって、私とマコちゃん、それに周りのみんなもビックリして、目を大きくした。

「えっ？！　何？！　何で？！」

　何が起こったのか分からなくて、私は、さっきまで破れて血に染まってた、マコちゃんの制服の右の袖を掴んだ。

　突然起きた、魔法みたいな現象に驚きの声をあげてると

「これで、向こうに帰っても怪しまれんだろ」

　ピッコロさんのクールな声が聞こえてきて、私たちは、この魔法を使ったのがピッコロさんだって解った。

「ピッコロさんて、魔法も使えたんですか？！」

　思わず、テンション高めの、感激の声をあげる私の横では

「ありがとうございます！」

　って、マコちゃんが深々と頭を下げてた。

　まさか、ピッコロさんが、魔法も使えたなんて！　何で、いままで教えてくれなかったの？！