でも。たいしたリアクションもせず、淡々と朝食を食べるトランクスの姿を思い出して

「ホント。もう少し素直になったらいいのに」

　愚痴を零す私に、トランクスは黙って、苦笑いを浮かべた。

　そんな、こっちの世界のトランクスとは違って、素直で好青年な大人のトランクスに

「あんたはベジータに似ず、素直に育ってよかったわ」

　安心したように言ってから

「でも、親子なんだから、きっとベジータに似たところはあるんでしょうね」

　観察するような目を向けると

「さ、さぁ。どうでしょう？」

　困ったような顔は、自分と父親との似てるところを探りはじめたみたいで

「自分ではよく分かりませんが、もしかしたら、闘ってる時は、父さんに似た部分が出てるのかもしれません」

　小さく笑って答えた。

「へぇ、闘ってる時ね……」

　こっちのトランクスより、戦闘民族としての気質が濃いように感じる、未来から来たトランクス。

　だから、その言葉には説得力があって「なるほどね」って頷いた。

「でも、闘ってる時じゃ、似てるか確かめられないわね」

　多分、その似てる部分が出る時っていうのは、本気で闘ってる時だから、確認したくても出来ない。

　残念だけど、その確認を諦めた私は、他に似てるところを探る為、ベジータの気質を色々と思い浮かべた。

　そして

「そう言えば、ベジータって、ああ見えて、愛情表現が強引な時があるのよね〜。ねぇ、もしかしたら、あんたそういうとこが似てるのかもしれないわよ？」

　冗談混じりに言うと、トランクスの顔が赤くなり、引き攣ったような気がした。