「……そうかもしれんが、仕方のないことだ」

　ブラにとって、梨子ちゃんは「大好きな存在」だってことを認めてるような声が、ブラを挟んだ向こうから聞こえてきた。

「そうね……。仕方ないのよね」

　そう言って、一旦、ベジータの言葉を受け入れてから

「仕方のないことだけど、もし、ブラが梨子ちゃんが帰ることに納得しなかったら、どう宥めたらいいかしら……。ねぇ。もし、そうなったらベジータ。その時は何とかしてちょうだいね」

　ベジータなら、ブラを何とか説得出来るわよね？

　試すように言うと

「……任せておけ」

　いつもみたいな、自信満々。とは言えない、ちょっと頼りない返事が返ってきた。



　翌日。

　朝食の時に、昨夜あった事件と、梨子ちゃんが近々、第六宇宙の地球に帰ることをパパとママ、そして、こっちのトランクスとコッカーさんに伝えた。

　話しを聞いたパパとママ、コッカーさんは、驚きから朝食を食べる手を止めたけど、トランクスはそのまま

「へぇ。やっと帰るんだ」

　気にもしないように、スープを啜った。

「四ヵ月も一緒に住んでたのに、やけにあっさりしてるわね。寂しくないの？」

　こういう冷めた態度って、一種の反抗期なのかしら？
　この年頃の子の感情って、イマイチ理解出来ないわ。

　思春期真っ只中の我が子に、眉を寄せてると

「寂しいっていう程、仲良くしてたわけじゃないし」

　スープに続いて、ソーセージに噛り付こうとするトランクスは

「それに、いつかは帰るって分かってたんだから、いい機会になったんじゃない」