戦うのが楽しみで仕方ない。

　そう言ってる顔に

「……ええ。以前とは比べ物にならない程強くなっていました」

　トランクスさんはそう答えると、悔しそうに視線を落とした。

　そんなトランクスさんを

「それで、そのミラを倒さず、おまえはノコノコと逃げて来たのか」

　ベジータさんが睨むと

「時の界王神様が戻れって言ったんでしょ？！　梨子ちゃんも一緒だったんだから、戻って来て良かったのよ！」

　ブルマさんはベジータさんを睨み、我が子を擁護した。

　二人の話しから、トランクスさんが戦いの最中に攫われた梨子と一緒に、このカプセルコーポレーションに帰ってきたことは分かった。

　ただ、トランクスさんが戦っていた気など感じられず、一体どこで、あいつ等と居たのか気になり

「ところで、あんたどこに連れ去られてたの？」

　ソファで、存在を消すかのように、大人しくしている梨子に聞くと、梨子は落としていた視線を私の方に向け「えっと……」と、言い淀んだ。

　どう答えていいか分からない。

　そんなようすの梨子に、眉を顰めそうになっていると、梨子の隣りに座るトランクスさんが

「それは……俺が説明します」

　一瞬躊躇うように、あいつ等が梨子を連れ去った手段と、目的を話しはじめた。

　

「ワームホール？！」

　ワームホールと言えば、確か時空トンネルみたいなものだと、テレビで言ってたのを覚えている。

　まさか、そんなモノを創り出すことが出来るなんて……。

「厄介なヤツだな……」