鋭い拳が目の前に飛んでくると、俺はそれを右手で受け止め、そのまま握り潰すように強く掴んだ。

　そして、左手で気弾をつくると、すぐにミラの腹部にそれを撃ち込み、ヤツを空中へと吹き飛ばした。

　いまの気弾では、大きなダメージを与えることが出来たと思えず、俺はミラが態勢を立て直す前に、ヤツの飛ぶ先に素早く回り込むと、組んだ両手を振り下ろし、ミラを地上へと叩き落とした。

　大きな破壊音と共に、そのままアスファルトにめり込んで行ったミラだったが、すぐに立ち上がると、空中に立つ俺のところまで飛んできて

「そうだ。それでいい」

　嬉しそうにニヤリと口角をあげた。

　いまの攻撃が大したダメージにはなっていないらしいミラのようすに、ヤツが更に打たれ強くなっていることが解り

　仕方ない……。あの力を出すか……！

　今回、父さんと悟空さんとの修行で得た、超サイヤ人を超えた超サイヤ人になることを決めた。

　薄笑いを浮かべるミラを前に、気を高め力を引き出しはじめると、ゴゴゴゴゴッ……と、空気が振動しはじめ、俺の纏う金色のオーラがバチバチッ！　と音を立てた。

　そんな俺の変化に、ミラは最初驚いたような顔をしていたが、すぐに嬉しそうな笑みを浮かべ

「まだ力を隠していたのか」

　そう言って、俺が力を解放するようすを興味深そうに見つめた。

　力を解放した俺は、ようすを窺っていたミラに対して

「これで終わりにしてやる！」

　戦闘態勢に構えると

「フッ。どれだけ強くなったのか、見せてみろ」

　ミラも戦闘態勢に構え、どす黒いエネルギーを放出しはじめた。