ホール②
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ただ、ピアノを弾いてるうちに、梨子さんの気持ちが安定してきたようには感じ、少し安心した俺は、いま彼女が弾いている穏やかで美しい曲が終わると、家に戻ることにした。
姿を見なくても、梨子さんの存在を、こうして近くで感じられただけで十分だ。
彼女の演奏を独占出来たことに、嬉しさを噛み締めながら、ピアノの音が止むと、俺は立ち上がり家の方に向かって歩きだした。
音を立てないように、静かに。
彼女が俺の存在に気付かないよう立ち去ろう。
そう思いながら、足を進めていると
「キャーーッ!!」
という、彼女の叫び声が背後から聞こえてきた。
「梨子さん?!」
俺はその声にすぐに反応すると、躊躇うことなく、後ろを振り返り走り出していた。
「梨子さん!!」
四阿に着くと、そこには真っ黒な穴に沈み込んでいく梨子さんの姿があった。
「トランクスさん!!?」
すでに腰の辺りまで沈み込んでいる彼女は、俺の声に気付くと、恐怖と驚きとが混ざった顔をこちらに向け、俺の名前を叫んだ。
彼女を呑み込むブラックホールのような穴。
それは間違いなく、トワが創り出した『ワームホール』と呼ばれる時空間トンネルだった。
何故これがこんなところに?!
俺は梨子さんのもとに走り寄ると、彼女が必死で伸ばした右手を掴み、彼女を引き上げようとした。
だが、ワームホールの梨子さんを呑み込んでいく力は強く、なかなか彼女を引き上げることが出来ない。
姿を見なくても、梨子さんの存在を、こうして近くで感じられただけで十分だ。
彼女の演奏を独占出来たことに、嬉しさを噛み締めながら、ピアノの音が止むと、俺は立ち上がり家の方に向かって歩きだした。
音を立てないように、静かに。
彼女が俺の存在に気付かないよう立ち去ろう。
そう思いながら、足を進めていると
「キャーーッ!!」
という、彼女の叫び声が背後から聞こえてきた。
「梨子さん?!」
俺はその声にすぐに反応すると、躊躇うことなく、後ろを振り返り走り出していた。
「梨子さん!!」
四阿に着くと、そこには真っ黒な穴に沈み込んでいく梨子さんの姿があった。
「トランクスさん!!?」
すでに腰の辺りまで沈み込んでいる彼女は、俺の声に気付くと、恐怖と驚きとが混ざった顔をこちらに向け、俺の名前を叫んだ。
彼女を呑み込むブラックホールのような穴。
それは間違いなく、トワが創り出した『ワームホール』と呼ばれる時空間トンネルだった。
何故これがこんなところに?!
俺は梨子さんのもとに走り寄ると、彼女が必死で伸ばした右手を掴み、彼女を引き上げようとした。
だが、ワームホールの梨子さんを呑み込んでいく力は強く、なかなか彼女を引き上げることが出来ない。