「襲われた？！　梨子ちゃんが？！」

　私が梨子を何で「地球に帰したい」か。という理由を聞いたブルマさんは、驚きの声をあげた。

「怪我をしたのは聞いてたけど、襲われたなんて知らなかったわ……」

　右手を顎に添えて、眉間に皺を寄せる顔に

「私も昨日聞いたんです。知ってたのは、多分トランクスさんだけみたいです」

　溜息を吐くように伝えると

「そう……。トランクスが……」

　ブルマさんは視線を下に向けると、すぐに何かが繋がったのか、ハッとしたように、目を見開いて顔を上げた。

　そんなブルマさんのようすを見ながら

「またあの子を巻き込ませるわけにはいかないんで、あの子を私たちの地球に帰したいんです。私一人で説得出来たらいいんですけど……。もし無理そうなら、協力してもらえませんか？」

　大きな青い目を見つめ、お願いすると

「……そうね」

　自分はどんな顔をしてるのかは分からないが、ブルマさんは私の方を見るなり、神妙な顔で私を見つめ

「また次何が起きるか分からないし……。梨子ちゃんだけでも帰った方がいいわ」

　そう言って頷いた。

　提案に乗ってくれたブルマさんに感謝しつつ

「あーあ。予知夢で見たってのに、それを全く活かせなかったなんて……。何のための予知夢なんだか……」

　今回のことは、私があの夢を予知夢だと気付いてれば避けれただろうと思い、悔しく思ってると

「そんなの仕方ないわ。予知夢が見れるようになってまだ日が浅いんでしょ？」

　ブルマさんは、気にするなというふうに、私を励ましてくれた。