梨子が襲われてたなんて。

　全く知らなかったし、思いもしなかった。

　狙われてんのは私だろ？

　なのに、何で私は何もなくて、あいつがそんな目に遭ってんだ？

　て言うか、そういう話しはもっと早く言えよ！

　夕食を食べた後、梨子から「襲われた」って話しを聞いた私は、重い気分のままベッドに入った。

　そもそも、あの日のことはトワとミラとかいうヤツ等が私の力を奪うために起きたことだ。

　全ての原因は私だ。

　なのに、何も関係ない西の都の人たちや、梨子が巻き込まれたと思うと、さすがの私でも、責任を感じてメンタルがやられそうになる。

　街や、街の人たちがドラゴンボールで復活して一件落着。

　私が原因であることは考えないでいようとしていたが、梨子に襲われたことを打ち明けられ、考えざるを得なくなった。

　梨子だけじゃなく、他の人たちもそうだろうが、身体の傷は癒えても、心に傷を負ってたなら、そう簡単には癒えない。

　クソ……！

　心の中で吐き捨てるように呟いて、あのトワとかいう女を恨んだ。

　あの女は、また私の力を奪うためにやって来る筈だ。

　その時、またあの日のように、たくさんの関係ない人たちを巻き込むかもしれない。

　それを阻止するには、私の力がずっと覚醒しなければいいんだろうが、あの女はそうはさせないだろう。

　それなら、少しでも被害者を少なくするしかない。

　……ここにいるのは、私だけでいい。

　自分の中で結論が出ると、私はやっと眠りにつくことが出来た。