トランクスさんに会いたい

夢小説設定

この小説の夢小説設定
主人公
主人公の苗字
主人公の幼馴染(女の子)
主人公の幼馴染(女の子)の苗字
主人公の幼馴染(女の子)呼び方

 そう言って視線を落とすと

「……ああ、そういうこと」

 マコちゃんの、納得してるけど不機嫌そうな低い声が聞こえてきた。

 あれ……? 怒ってる?

 そろっと、視線を上げてマコちゃんの顔を窺うと

「何で言わなかったの?」

 明らかに怒ってるマコちゃんが、私を睨んでた。

 あ。この静かに怒ってる感じは、かなり怒ってるかも……。

 普通に怒る時は大きな声を出すマコちゃんが、こんなふうに淡々としてる時は、本当に怒ってる時だっていうことを、私は知ってた。

 だから、あんまり刺激しないように

「言って気を遣わせたくなかったし。それに、大丈夫だったんだから、わざわざ言うことないかなぁと思って」

 苦笑いで答えたら、少し間を空けて「そう」って短い言葉を返すと同時に、マコちゃんは前を向いて歩き出した。

 どんな感情がこもってるのか分からない、マコちゃんの発した、短い返事に続ける会話が見つからなくて、そのまま黙って私も歩き始めると

「っていうか、別に礼言わなくてもいいんじゃない? あの人お礼とか別に求めてないでしょ」

 前から「責める」と「面倒臭い」とが混ざったような声がした。

 後ろにいても、眉間に皺を寄せる不機嫌な顔が想像出来て

「うん……そうかもしれないけど」

 不機嫌を少しでも軽くするように、マコちゃんに同意してから

「でも、トランクスさんに会って、ちゃんとお礼が言いたいの」

 そう言った私の頭の中には、あの日、私を守ってくれた頼もしい後ろ姿が、ハッキリと浮かんでた。
5/5ページ
スキ