短くて大きな鼻息と一緒に、責めの言葉が吐き出された。

「勝手」って単語を否定出来ない自分が、まだまだ人として未熟だなって思えて

「うん……そうだね。勝手だね、私」

　相槌を打つと同時に足取りが重たくなって、歩くスピードが落ちると、マコちゃんの背中が目の前にあった。

　同じ歳なのに、自分より人として成熟してる感のあるマコちゃんの背中が何だか遠くに感じて、何だか取り残されたみたいに寂しくなった。
　
　私も、少しは大人にならなきゃ……。

　そんな決意を固めながら、歩くスピードを上げて、少し前を歩いてたマコちゃんに追いつくと

「避けてんだから、避けられようになった方があんたも楽なんじゃないの？」

　掛けられた言葉に、複雑な気持ちになった。

　私は、あの日のことを思い出しながら

「トランクスさんに言わなくちゃいけないことがあるの」
　
　そう答えると
　
「言うって、何を？」

　マコちゃんは当然な質問をしてきた。

　あの日、宇宙人二人に襲われたことは誰にも話してなかった。

　あの出来事の後、みんなドラゴンボールのことでバタバタしてたし、話して余計な心配をかけるのも嫌だった。

　だけど、マコちゃんの疑問に答えるには、言うしかない。

　すぐに答えない私に、マコちゃんの「どうした？」っていう無言の視線が刺さり、少し躊躇ってから

「……あの日ね、私トランクスさんに助けてもらったの」

　思い切って切り出すと

「あの日？」

　マコちゃんが視線だけじゃなく「？」を浮かべた顔も、私の方へ向けた。