おまえもああなりたくなければ、さっさとここから消えろ――。
　
　襲われてる私を助けてくれた、あの声と後ろ姿を思い出すと、胸がギュッとなる。

　私の前に立つ、剣を背負った見慣れた背中はすごく頼もしくて、差し伸べてくれた手は、とても大きくて安心した。
　
　いつも穏やかに微笑んでる、トランクスさんの知らなった一面を知って、私の心の中でトランクスさんへの関心が、大きく膨らみはじめてた。


　トランクスさんの姿を見掛けなくなったのは、あの宇宙船が来た日から。

　最初は

　どうしたんだろ？　

　くらいにしか思ってなかったんだけど、さすがに五日経った頃には、全くトランクスさんに会わないことに違和感を感じはじめた。

　だって、広い家とはいえ、全くトランクスさんの姿を見ないなんておかしくない？　おかしいでしょ？！

　トランクスさん、どうしたんだろ……？

　もしかして、病気とか？！

　そんな理由が頭に浮かんだけど、いつも一緒にいるマコちゃんに聞いたら、毎日顔を合わせてるって言ってたから、そうじゃないことはすぐに分かった。

　ブルマさんにも、トランクスさんのことを聞いてみたけど、ブルマさんも毎日普通に、トランクスさんと顔を合わせてるみたいで、トランクスさんを見掛けないってことを話すと、驚いた顔をされた。

　二人から話しを聞いて、トランクスさんを見掛けなくなったのは、私だけっぽいことが分かってくると

　何で？

　何で、私だけトランクスさんを見掛けないの？

　少し考えて、そして気が付いた。

　……もしかして。

　私、避けられてる？