案の定、トランクスは疑うような目で見てきたが「ふーん。そっか」と言って、それ以上追求しようとしなかった。

　そんなトランクスに

「もし、母さんに何か聞かれたら、そう言っておいてくれ」

　弱い笑顔を向けてから、部屋に向かって歩きだそうとすると

「分かったよ。でも、梨子はお兄ちゃんに会いたそうだからさ……。それに、食事はみんなで食べた方が美味しいと思うけど？」

　そんなトランクスの声が後ろから聞こえ

　……梨子んが俺に会いたそう？

　その言葉に反応してしまった。

　だが

　本当にそうだろうか？

　すぐに、そんな筈はない。と首を振った。

　本当にそうなら嬉しいし、俺の犯した罪が少しだけ軽くなる気がする……。

　でも……犯した過去、彼女への罪悪感は消えることはない。

　歩き出したばかりの足を止め「ああ……そうだな」と笑って振り返り答えたが、その時に見たトランクスの顔は、疑うような顔をしていた。



　部屋に戻ると、時の界王神様から連絡が入ってきた。

『トランクス。そっちのようすはどう？』

　フリーザ軍襲来以来、時の界王神様は、トワとミラの動きを注意深く見張ってくれていて、こちらの世界のことも気に掛けてくれている。

　それは、ヤツ等がまた、真琴さんに接触して来たからだ。

「ええ、いまのところこちらで変わったことは起きていません。そちらはどうですか？」

　ただ、トワとミラが狙うのは、この世界だけじゃない。

　ヤツ等は時空を超え、暗黒魔界復活に必要なエネルギーを、あらゆる世界と時代で得ようとしている。