「みなさん！　大丈夫ですか？！」

　神殿に着くなり、神様が小走りで私たちのところにやって来た。

　わざわざ神様の方から来てくれるなんて、相変わらず低姿勢な神様だ。

　神様が、全身に傷を負ったベジータさんを見て、手をかざすそうとすると

「俺よりそいつの怪我を治してやれ」

　先に梨子の足を治すよう促した。

　ぶっきらぼうな言い方だが、その裏にある優しさを感じ

　……そういうところか。

　ブルマさんが、ベジータさんを好きになった理由が分かった気がして、密かに納得した。

　大抵の人間は、ギャップってもんに弱い。

　自分の経験も踏まえ、腕を組み佇む、ベジータさんの後ろ姿を見つめてると

「終わりましたよ」

　神様の声が聞こえてきた。

　梨子の方を見ると、足はすっかり綺麗に治っていて

「ありがとうございます！」

　梨子は弾む声で、神様に感謝を伝えていた。

　そして、その隣りでは、トランクスがホッとしたように「よかったな」と、梨子に声を掛けていて、梨子はそれに笑顔で応えてた。

　そんな二人のようすを見て、トランクスさんのことが頭を過った。

　告白をきっかけに、まさか梨子が、トランクスさんをあんなにあからさまに避けるようになるとは予想外だった。

　いい加減、前みたいにトランクスさんにもその笑顔で接してやれよ……。

　告白をけしかけた罪悪感を、一人募らせてるところに

「ご苦労だったな」

　白いマントをはためかせ、ピッコロさんが現われた。