龍斗さんの問いかけに「は、はい」って答えるトランクスさんに、龍斗さんはパッと表情を明るくすると

「真琴から聞いてます。妹がお世話になったみたいで。ありがとうございました」

　そう言って頭を下げた。

「えっ？　い、いえ！　俺は何も……！」

　龍斗さんに頭を下げられ、戸惑うトランクスさんに

「詳しくは聞いていませんけど、俺の知り合いってことになってるんですよね？　お役に立てるなら、いくらでも俺の名前出してもらって構いませんから」

　龍斗さんは、何の疑問も抵抗もない。っていうふうに笑顔を浮かべた。

　そんな龍斗さんを見て

　いやいや、詳しく聞いてないって……！？　龍斗さんはそれでいいの？！　マコちゃんてば、どんな説明したの？！　

　心の中で思いっ切りツッコんでると、龍斗さんはトランクスさんから私へ視線を戻し

「真琴と約束してたんだよね？　あいつ道場に行ったんだけど……連絡なかった？」

　小さく首を傾げた。

　龍斗さんの言葉に「え？」って声を漏らした私は、すぐにスマホをチェックした。

　でも、マコちゃんからの連絡はなくて「ないです……」って苦笑いで答えると、龍斗さんは「まったく、あいつは……」やれやれといった顔で、マコちゃんが道場に行った理由を教えてくれた。




　龍斗さんの話しでは、マコちゃんが通う道場の柴先生から「急用が出来たから、小学生の指導を代わって欲しい」っていう電話があったそう。

　マコちゃんが尊敬する柴先生の頼み。