小柄で、でも筋肉はしっかりあって、あまり表情を崩すことがない柴先生は、久しぶりに会って、ますますベジータさんに似てるなって思った。

　そんな外見的なことを、頭の中で思ってる私と違い

「気の質が似てるんですよねぇ」　

　苦笑いするマコちゃんに、トランクスさんも「そうですね」って、可笑しそうに笑い、相槌を打った。　

　そんな二人のやり取りを見て「気」を感じることが出来ない私は、何だか疎外感を感じた。

「気」を感じれることで、また、マコちゃんがトランクスさんとの距離を縮めてく。

　そんなマコちゃんに対して、嫉妬と僻（ひが）みの両方がムクッと顔を出すと

　……もう、私必要なくない？

　卑屈な言葉が心に浮かんできた。

　だから、家へ帰る道と公園へ続く道の分岐に来たところで

「私、帰るね」

　一人で家に帰ることにした。

　家に帰った私は、すぐに自分の部屋へ行き、ベッドに座り込んだ。

「帰るね」って言った瞬間、驚いたような顔をした二人だったけど、すぐに私がいなくても何の支障もない。って感じで、あっさり公園の方に行ってしまった。

「帰る」って選択をしたのは自分なんだけど、ぽつんと置いて行かれた感じが強くて、寂しくてたまらない。

　今頃、公園で剣道の稽古をしてるんだろうマコちゃんとトランクスさんは

「きっと、私のことなんか気にしてないよね……」

　呟いて、ますます寂しさが募った。

　……一緒に行けば、こんなに気持ちにならなかったのかな？