「……どうですか？」

「とても美味しいですよ」

「うん！　スゴく美味しいわよ、佳奈ちゃん」

「……よかった」

　安堵する佳奈に、トランクスもつられて笑みを浮かべた。
　
　三人で食卓を囲む度、佳奈の表情は明るくなっている。

　しかし逆に、佳奈の住む地球を復活させる。という課題が、全くもって進展していないことが、トランクスの表情に影を落としていた。

（本当に、佳奈さんのいた地球を復活させる方法なんてあるんだろうか？）

　懐疑的になりながらも、自分がいま佳奈のために出来ることと言えば「第六宇宙の地球を復活させる」ということしかなく、朝食を食べ進めているいまも、頭の片隅では地球復活のための糸口を探していた。

　そして、そんな息子のようすに気付いたブルマは、密かに肩を竦め

「トランクス、悪いんだけど、今日買い出しに行って来てくれない？」

　思い詰めた雰囲気を滲ませる息子に、声をかけていた。

「え？　あ、うん。いいけど」

「あとで、メモを書いて渡すからよろしくね」

「うん。わかった……」

　そう言って頷く息子に微笑んでから

「そうだ。佳奈ちゃんもトランクスと一緒に行ってもらえない？　ちょっと買う物が多いのよ」

　佳奈にも買い出しを頼んだ。

　パンケーキの最後の一切れを、フォークに刺そうとしていた佳奈は、少し考えるふうに間を空けてから

「はい。分かりました」

　少し戸惑いを見せつつも、了承の笑みを浮かべた。