トランクスは佳奈に、その駅はどのエリアの何という街にあるのか詳しく聞いてみた。

　だが、佳奈から返ってきた地名や街の名前、そして彼女が乗っていたという、電車が結んでいる路線も、全く聞いたことがない名だった。

「知らないな……」

　トランクスの呟きを聞き「えっ？！」と小さな叫びをあげた佳奈は

「そ、そんな……！　だって、東京は世界でも有名な街なのに……！」

　佳奈は、信じられない。といった顔をしたあと、自分のいま置かれている状況が、段々怖くなってきたようで、口元を両手で覆った。

　空を浮いていたり、電車に乗っていたはずが、全く知らない場所に移動していたり。

　これは夢なんじゃ……？

　佳奈はそう思い、口元を覆っていた片方の手で、頬っぺを抓った。

　しかし、頬を抓った痛みはしっかりと感じ、これが夢ではないことを、証明してきた。

　そして、これが夢だと疑っているらしく、頬を抓っている佳奈に、トランクスは一つの可能性を感じ、思い切って

「あの、おかしなことを聞くようですが……。佳奈さん、あなたは地球人ですよね？」

　そう尋ねると、佳奈は

「え……？　は、はい。そうですけど……」
　
　トランクスの突拍子もない質問に、訝しんだ顔で頷いた。

　もしかして……？

　という、一つの可能性として、尋ねた問いだったが

「そう……ですよね」

　おかしなことを口走っただろう、自分に、トランクスは苦笑いを浮かべた。