もし、あの身体が浮いた理由こそが、兵器によるものだったのだとすれば……。　

　佳奈は身体がスッと冷えていくのを感じた。

「都市伝説」として、まことしやかに囁かれていた世界の終末。

　それが、現実になって起こってしまったのかもしれない……！

　そう思った途端、佳奈は強い不安に襲われた。

　地球が滅びたということは、家族は？！　友人は？！　自分を取り巻いていた全てが消え去ってしまったということだ。

「嘘……！」

　佳奈は身体を丸め、声を震わせた。



　翌日、佳奈は部屋から出てこなかった。

「独りになった途端、事態を理解したのかもしれないわね……。だとしたら、ショックを受けてるに違いないわ……。今日はそっとしておいてあげましょう」

　やりきれない。といった表情のブルマにトランクスも頷くしかなく、その日は落ち着かない一日を過ごした。

　しかし、その次の日も佳奈は部屋から出て来る気配がなく、さすがに心配になったブルマは佳奈の部屋へと向かった。

　部屋の前に置かれた、手が付けられていない食事を見て、ブルマの胸に不安が過る。

　ノックをするも返事は返ってこず、不安が大きくなったブルマは

「佳奈ちゃん！」

　慌ててドアを開けた。

　部屋に入ると、佳奈は窓際にあるベッドで眠っており、ブルマは胸を撫でおろした。

　だが、涙の痕が残る佳奈の顔を見て、心から安心することは出来ず、そっと佳奈の頭を撫で、部屋をあとにした。