しかし、その希望は

「それは無理だ」

　と言う、キビトの低い声ですぐに打ち砕かれた。

「無理？！　どうしてよ！」

　名案を速攻で潰され、眉を吊り上げるブルマに

「地球のドラゴンボールで叶うことは、この宇宙での願いのみ。別の宇宙の願いを叶えることは出来ない」

　キビトは淡々とした口調で答えた。

　諦めろ。そう言わんばかりの、キビトの表情に

「そんな……」

　トランクスは弱い声を漏らしながら、縋るように、キビトの隣りに立つ界王神を見た。

　しかし、界王神は首を横に振り、佳奈の住んでいた「地球」は、もうどうにもならないのだと、無言で答えるのだった。

（他に、佳奈さんの「地球」を復活させる方法はないか……！）

　トランクスは思考を巡らせたが、案は出てこず、途方に暮れていると

「……とにかく、佳奈ちゃんはこのままウチで暮らしなさい」

　ブルマがそう言って、未だぼんやりしたままの佳奈に、強い視線を向けた。

　青い目には「まだ諦めないわよ！」というふうな、強い意志がみなぎっている。

　佳奈は、ブルマのその目に、身体をビクリと反応させたが、心の方はフワフワと宙に浮く風船のように定まらず、自分の感情を上手く掴めない。

　自分でもよく分からないまま

「あ、ありがとうございます……」

　そう答える佳奈に、ブルマは宣戦布告でもするように

「必ず、佳奈ちゃんの住んでた地球を、復活させる方法を見つけだしてみせるわ！」

　高らかに言い放ったのだった。