という、信じられない答えだった。

「え……？」と、また絶句の声が漏れ、途端に部屋の空気は重くなった。　

　嫌な静けさに包まれたダイニングに、時計の針を刻む音だけが耳につく。

　沈痛な面持ちで、俯く界王神に

「ちょっと待ってよ！　それ、どういうこと？！」

　噛みつくように声を荒げたのは、ブルマだった。

　ようやく見つけた「地球」が滅びていたなど、信じられるはずがない。

　すると、界王神は顔を上げ

「佳奈さん。あなたの地球には、多くの「国」というものがあったようですね。そして、いつも国同士の争いが起こっていた。それが、第六宇宙の地球が滅亡した原因です」

　佳奈の住む地球が、滅びた原因を語りはじめた。

　界王神の語りの中に出てくる、国の名前や地名、人名。

　それは間違いなく、佳奈が住んでいた地球に存在するもので、佳奈は呆然としながら界王神の話しを聞いていた。

　だが。全く、自分の住んでいた地球という惑星が滅びたという実感は湧いてこず、映画のあらすじでも聞いているような感覚だった。

　そんな、リアクションの薄い佳奈に

「私の話しを聞いただけでは、きっと信じられないでしょう。しかし、佳奈さん。あなたの故郷である地球は、あなた方第六宇宙の人間同士の争いによって、滅んでしまったのです」

　界王神は、悔しさを滲ませた声で、そこまで伝えてから

「そして、佳奈さん。あなたは恐らく、その争いのせいで、この地球に来てしまったのです」

　そう告げたのだった。