ブルマから向けられる晴れやかな笑顔と、界王神からの報告に、キョトンとしていた佳奈だったが、少しの間のあと、事態を飲み込んだようで

「は、はい……！」

　やっと、自分の住むべき場所に帰れる喜びと安心からか、泣きそうな笑顔を顔いっぱいに広げた。

　感動的な報告をもたらし、これで佳奈を第六宇宙の地球に送り届ければ、一件落着。

　そのはずだが、界王神の表情は何故か曇っている。

　それに気付いたトランクスは

「どうかされましたか？」

　界王神の顔を覗き込むように尋ねた。

　すると

「界王神様。ぬか喜びさせるのはよくありません。事実をお話しになりませんと……」

　界王神の隣りに立つキビトが、太く静かな声で、界王神を促した。

　キビトの言葉に、躊躇いを見せる界王神だったが、重たく息を吐き出すと、覚悟を決めたように

「佳奈さん。あなたの住んでいた地球は見つけました。見つけたのですが……。残念ながら、もう、あの地球に戻ることは出来ません」

　そう言って、哀しみを湛えた黒い瞳で、佳奈を見つめたのだった。

　それを聞いて「え？」と、佳奈が小さく息を吐くように漏らすと

「地球には戻れないって……！　一体どういうことよ！」

　すぐに、ブルマが界王神へ問いただした。

　窓から差し込む、午後の明るい日差しが、界王神の曇った表情を照らす中、返ってきたのは

「大変言いにくいのですが……。第六宇宙の地球はもうありません。佳奈さんの住む地球は、滅びてしまったのです……」