「構いません！　時を超えた罪は俺一人が被ります。だから、今回だけタイムマシンを使わせて下さい！」

　トランクスはそう言って、界王神を真っすぐに見つめた。

　両手を握り締め、強い眼差しで自分を見つめるトランクスに

「トランクスさん……。何か事情がおありのようですね」

　界王神はタイムマシンの使用を望む理由を、澄んだ青い瞳に尋ねた。



「なるほど……。それで過去へ」

　事情を聞いた界王神は、ブルマの隣りで、不安そうな表情で佇む佳奈へ視線を向けた。

　佳奈からは、悪意は微塵も感じられず、嘘をついてるとは思えない。

　しかし、たった今聞いた話しは、どうも信じ難く、界王神は眉を寄せた。

「おかしな話しですな、界王神様。地球という星は、この宇宙にはここ以外にないはずです。一体どういうことなのでしょう」

　キビトも、不可解といったふうに、傍に立つ界王神へと視線を向けた。

　すると、界王神は右手を顎に添え、何やら考えを巡らせている。

　その姿に

「界王神様、もしや、何かお心当たりでも？」

　キビトが尋ねると

「いや、まだ分からない……。だが、調べてみる価値はあるかもしれない」

　界王神は、神妙な顔をトランクスたちに向け

「佳奈さんがいらした地球のことで、少し気になることがあります。調べてみますので、それまではタイムマシンの使用を待ってください」

　諭すように、一人ひとりの顔を見つめてから

「キビト、行こう」

　そう言って、界王神とキビトはトランクスたちの目の前からフッと姿を消したのだった。