「では、佳奈さん行って来ます。少しの間待っていてください」

　隣りに立つ佳奈に笑顔を向けた。　

　これから何が起こるのか想像出来ない。というふうに、少し不安そうな顔で、小さく頷く佳奈に

「いい知らせを持って帰って来ますね」

　トランクスは安心させるように、更に優しく微笑むと、ブルマと入れ替わりでタイムマシンに乗り込んだ。

「それじゃ、向こうの世界の私たちによろしくね！」

「うん」

　頷くトランクスに

「あ、そうそう。神龍が違う世界の願いも叶えてくれるなら、またこっちと過去の世界とを往復しなきゃいけなくなるでしょ。そうすると、タイムマシンの燃料がギリギリになるかもしれないから、過去の世界で燃料チャージさせてもらいなさい」

　ブルマはそう付け加えた。
　
　母からの助言に

「分かった。向こうの母さんに頼んでみるよ」

　トランクスが笑顔で答え、タイムマシンのコックピットのドアを閉めようとした、その時――。

「待って下さい！」

　突然、背後からトランクスの旅立ちを制止する、鋭い声が飛んできた。

　声に驚き、三人が声のした方を振り返ると、そこには、普通の人間とは雰囲気が違う、険しい顔をした二人の人物が立っていた。

　その二人の姿を見るなり

「界王神様、キビトさん！？」

　トランクスは驚いた声をあげ、コックピットのドアの開閉ボタンへと、伸ばしかけていた手を止めた。

　思わぬ来訪者に、ただ驚いているトランクスに

「トランクスさん。それを使ってはいけません」

　界王神は、神妙な顔をトランクスへと向けた。