隣りから送られてくる、期待に満ちた視線を感じ

「ええ。過去の世界で会ったんです」

　トランクスは、悟空が連れて来たナメック星人の少年、デンデのことを思い浮かべ、答えていた。

　デンデが新しい神様となり、ドラゴンボールを復活させてくれたおかげで、自分含め、セルにやられたたくさんの人が生き返ることが出来た。

　それを思うと、トランクスは神様に感謝しかなく、改めて

（ありがとうございました……）

　心の中で、小さく感謝の言葉を唱えていた。

　すると

「神様ってどんな感じなんですか？！」

　佳奈が興味津々といったふうに、操縦席の方に身を乗り出し、尋ねてきた。

　近くなった佳奈との距離に、ドキリとしながら

「俺が会った神様は、ナメック星という惑星から来た少年です。不思議な力を持っていて、優しい人でした」

　トランクスがそう答えると

「……ナメック星？」

　佳奈はキョトンとしてから

「っ？！　神様って宇宙人なの？！」

　驚いた声をあげた。

　そんな佳奈の反応に、トランクスは「しまった！」と表情を強張らせた。

　迂闊にも、自分たちの感覚で神様のことを話していたことに、変な汗が出そうになる。

　だが

「……ナメック星とか、サイヤ人とか。この地球って、普通に宇宙人がいるんですね」

　感心したように呟く佳奈に、今度はトランクスが驚いた。

（何で、サイヤ人のことを？！）

　顔が引き攣ったが、その答えは明らかだ。

　サイヤ人のことを知る人物など、他にいない。