白く眩い建物は、佳奈にインドにある『タージマハル』を思い出させた。

　そして、静寂と神聖さに包まれる様は、寺社仏閣を訪れた時のような、心改まる感覚にさせられる。

　目の前に広がる光景が、まるで異世界のようで、佳奈がじっとその場で立ち尽くしていると

「行きましょうか」

　隣りに並んだトランクスが、宮殿に向かって歩きだした。

　前を行くトランクスの背中を追うように、佳奈も足を踏み出し、宮殿へと近づいて行くと、宮殿から人が出て来るのが見えた。

　それは、まるでお伽噺の世界に登場するような、頭にターバンを巻いた人物で、佳奈はその姿を見た瞬間、単純に感動を覚えた。

　その感動は、テーマパークのキャラクターと出会った時の感動と似ているかもしれない。

　寺社仏閣に来た感覚から、急にテーマ―パークに来た気分になり、佳奈が急にソワソワはじめていると

「ポポさん……」

　前を歩くトランクスから、懐かしむ声が漏れた。

（ポポさん……？）

　ターバンを巻いた人物が「ポポ」という名前だと知ると、その可愛らしい響きから、佳奈のミスター・ポポへの高感度はグンと高まった。

（ポポさんて、一体どういうキャラ……人なんだろう？）　

　距離が近づくごとに、佳奈のポポへの関心は膨らんでいく。

　そして、いよいよ対面した時

「トランクス、久しぶり。よく来たな」

　ポポはトランクスに声をかけてから、大きな目を佳奈へ向けた。