人造人間が暴れだす前は、免許を取得するための「教習所」なるものがあったそうだが、いまは存在しない。

　なので、この世界では、運転や操縦技術は、はじめだけ出来る人間から学び、後は自分で身に付ける。

　トランクスももちろん、エアカーや飛行機の動かし方は、初めはブルマから教わり、後は自分で習得した。

　佳奈の住んでいた「地球」と、この「地球」の違いを改めて知り、佳奈の住んでいた「地球」のことをもっと知りたくなったトランクスは、佳奈に彼女の住む「地球」のことを尋ねはじめた。


「佳奈さんの住んでいる『ニホン』という国は、とても楽しそうなところですね！」

「うん！　だから、海外から観光に来る人が多いの」

「いまの話しを聞いていたら、俺も『ニホン』に行ってみたくなりましたよ」

「ホントに？　じゃあ、その時は、私がトランクス君を案内するね！」

　地球のこと。「ニホン」のことを話す佳奈は、とても楽しそうで、会話が盛り上がったことに、トランクスはホッとした。

　これまで、女の子と会話をする機会がほとんどなかったトランクスにとって、佳奈と何を話せばいいのか……。

　それが悩みの種だったが、会話のきっかけさえ掴めば、何とかなるものなのだと気分が軽くなった。

　まさか、自分がふと尋ねた少女の住む「地球」のことで、これほど会話に花が咲くとは。

　それに、話すうちに、佳奈の口調から固さがなくなっていったことがトランクスには何より嬉しく、密かに笑み噛みしめていた。