外に出た佳奈は、遊園地のアトラクションのような、丸みのある、黄色く可愛らしい乗り物に目を丸くした。

（これが飛行機……？！）

　丸みを帯びた主翼と、同じく丸みのある尾翼、そして前面がほぼ、分厚い窓で占められたその機体は、まるで魚のような形をしていて、子供の頃図鑑で読んだ、深海探査艇を思わせた。

　さぞ、複雑なコクピットなのだろうと近づいて、中を覗いたが、操縦席と助手席だけが並んだ、シンプルなものだった。

　不思議な形の飛行機を、佳奈が物珍し気に見つめていると、どこを触ったのか、トランクスが、分厚く大きなカプセル窓を上に上げ

「どうぞ、乗ってください」

　佳奈に、操縦席の隣りの椅子に座るよう、促した。

　大きなカプセル窓が、飛行機の出入り口になっていることに驚きつつ、佳奈は、トランクスに促されるまま、操縦席の隣りの椅子に腰を下ろした。

　椅子に座った佳奈は、ますます、アトラクションに乗っているような気がしてきて、この飛行機で空を飛べるのが、楽しみになってきた。

「じゃあ、母さん。行って来るよ」

「いってらっしゃい。大丈夫だとは思うけど、一応気を付けるのよ」

　一言付け加えたブルマに、トランクスが「うん！」軽く頷いた後

「トランクス君、よろしくお願いします」

　佳奈が小さく頭を下げた。

　すると、ブルマとトランクスは、同時にキョトンとした顔で佳奈を見た。

（え？！　何……？！　私、何か変なこと言った？！）