水色のワンピースの裾を揺らしながら、佳奈がこちらに向かってやって来る。

　その姿が近づいて来る毎に、トランクスの胸は高鳴り、身体は緊張から強張りはじめていた。

　昨日、母ブルマが提案した「デート」。

　その「デート」が、これから始まろうとしているのだ。



「ご、ごめんなさい……！　遅れました……」

　息を切らす少女に

「い、いえ」

　トランクスは首を振りつつ、少女の姿に見惚れていた。

　近くで見ると、少女の白い肌によく映える水色のワンピースは、柔らかさのある生地も相まって、佳奈にとてもよく似合っている。

「ああ、やっぱりよく似合ってるわ！」

　トランクスの隣りに立つブルマは、自分のセンスに自画自賛し

「ね、すごくカワイイでしょ？！」

　少女に見惚れている、息子の顔を覗き込んだ。

「えっ？！」小さく声をあげ、動揺したトランクスだったが

「え、ええ。とてもよく似合ってます」

　共感の意を示すように頷き、小さな花のような、愛らしい少女を見つめた。

　すると、その言葉に照れたらしく、佳奈は「あ、ありがとうございます」とはにかむと、照れを隠すように俯いた。

　そんな、頬を染め俯く少女の姿を見て、トランクスは、自分の胸がドキッと音を立てたことに慌てた。

　これから、二人きりで出掛けるというのに、行く前からこの調子で大丈夫だろうか……？！

　そんな不安が過ってしまう。

　何故なら、今日のデートは一昨日の博物館とは違う。

　今日は飛行機に乗って、この地球を観光することになっていた。