「気にしないでください。母がしたくてしたことですから」

　微笑むトランクスだったが

「それより、佳奈さんの気に入った物は買えましたか？　無理やり、買わされたりはしてませんか？」

　強引な母のことだ。

　佳奈に有無をいわせず、無理矢理買わせた物がほとんどではないか。と心配になった。

　すると

「ちょっと、トランクス！　いまのはどういう意味よ？！」

　不機嫌な声が聞こえてきた。

　母ブルマを見ると、こちらを軽く睨みながら

「無理矢理買わせてなんてないわよ！　ぜーんぶ、私と佳奈ちゃんが納得して買った物ばかりなんだから！」

　人聞きが悪いとばかりに、反論してきた。

　佳奈が納得してるかどうか……。

　それは怪しいところだが、これ以上、母の機嫌を損なうことを言ってもいいことはない。

　そう判断したトランクスは

「そ、それならいいけど……」

　大人しく引き下がることにし

「いい買い物が出来たみたいでよかったよ」

　笑顔……いや、限りなく苦笑いに近い表情で、その場を収めた。

　トランクスがすんなり引き下がり「いい買い物をした」という言葉を添えたのは正解だったようで、ブルマは再び機嫌をよくすると

「そうなのよ！　佳奈ちゃんに似合う可愛い服がたくさん買えたの！　満足だわ～！」

　テンションの高い声をあげた。

　そして「そうだわ！」と、いい事を思いついたとばかりに手を打つと

「せっかく可愛い服を買ったんだし、明日は二人でデートして来なさいよ！」

　若い二人の顔を交互に見た。