「大丈夫よ。あんたは留守番してて」　

　トランクスの申し出を断ると、ブルマは壁にかけてある時計を見て

「そうね……。二時に玄関で待ち合わせにしましょうか！」

　佳奈の返事を待たず、待ち合わせの時間を告げた。



　半ば、強引にブルマに誘われ、買い物に行くことになってしまった佳奈だったが、特にすることもなかったので、予定が出来たことは丁度よかった。

　約束の時間である二時前に玄関ホールに着いた佳奈は、昨日、トランクスと博物館へ出掛けた時、走るエアカーの車内から、デパートやファッションビルらしき建物を、いくつか見掛けたことを思い出していた。

（今日は、あそこに行くのかな？）

　見知らぬ街……いや。見知らぬ「地球」の店には、どんなモノが売られているのか、とても興味がある。

　いま着てるベビーピンクのコットン素材のワンピースは、ブルマが経営する『カプセルコーポレーション』の服だが、この「地球」には、他にどんなファッションがあるのか。

　それを想像するだけで、佳奈の胸は、いやでも期待で高鳴った。

（どんなお店があるのか、楽しみだな～！）

　渋谷や原宿に買い物に行く時のような、ワクワク感に心躍らせてると

「ごめん、ごめん。待たせちゃった？」

　そう言いながら、ブルマが小走りでやって来た。

「いえ、大丈夫です」

　答える佳奈の柔らかい笑みにつられ、ブルマもにこりと微笑むと

「それじゃ、行きましょうか！」

　二人は、軽やかに玄関を出た。