そう言って、自分史上最高傑作である、タイムマシンを見上げた。　

　そこには、クリーム色の機体に書かれた「ＨОＰＥ」の文字が見える。　

　自分たちの……地球の未来を変えるために必死で完成させた機体が、今度は、未知の惑星の一人の少女を救うために起動しようとしている。

　佳奈との別れは残念だが、ブルマは自分の発明が、また、他人の役に立てるのだと思うと、科学者としての誇りを改めて感じ、自然と口角が上がっていた。



　昼食時、ブルマは佳奈に、現在のタイムマシンの状況を話し、トランクスがタイムマシンで、過去の世界に行く日が迫っていることを伝えた。

　ハッキリ理解している。とは思えないが、佳奈は自分の住んでいた「地球」に帰る日が近づいていることは、分かったようで、安堵した表情を浮かべている。

　そんな佳奈を見たブルマは

「そうだわ！　ねぇ、佳奈ちゃん。今日は私に付き合ってくれない？」

　いいことを思いついたように、ニコリとした顔を佳奈へと向けた。

　咀嚼していたものを飲み込んでから、不思議そうな顔をする佳奈に

「タイムマシンの燃料が溜まるまでは暇だし、買い物にでも行こうと思って！　ね？　付き合ってちょうだい！」

　ブルマが軽くウインクをすると

「俺も一緒に行くよ」
　
　トランクスが、気が利く一言を言ってきた。

　運転と荷物持ちは任せてよ。

　そういう意味での、優しさある息子の申し出だが、ブルマは今日は佳奈と二人、女同士で出掛けたかったので