「エネルギーが溜まるまで、あと二日ってとこね」

　パソコンのモニターに表示されている、タイムマシンの燃料充電率を確認しながら、ブルマが呟くと

「あと、二日か……」

　タイムマシンのメンテナンスを手伝っていたトランクスから、寂しさの混じった声が漏れた。

　きっと、本人は、そんな声を出したつもりはないだろう。

　だが、ブルマはその一言から息子の機微を感じ取り、思わず苦笑した。

　これまで「女の子」という存在と全く縁のなかった息子。

　そんな我が子に、やっと「佳奈」という、少女の知り合いが出来た。

　しかし。

　少女はこの地球の人間ではなく、過去の世界の神龍が佳奈の願いを叶えてくれるならば、すぐに自分が生まれ育った場所へ帰ってしまう。

　いま、トランクスが漏らした一言で、自分同様、息子も佳奈と別れることが惜しいと思っていることが分かり、ブルマの浮かべた苦笑は、寂しさの混じったものに変わっていた。

　まだ、知り合って三日だが、佳奈の人柄の良さは、彼女の言動や行動から垣間見ることが出来、ブルマも佳奈のことを気に入りはじめていた。

（この家にずっといてくれないかしら……）

　そう思うも、佳奈は、自分の住んでいた星に帰ることを望んでおり、引き留めることなど出来ない。

　せっかく出来た縁だが、このまま同じ屋根の下で暮らすことは叶わないのだと思うと、ブルマは心の中で小さく溜息を吐いてから

「燃料も順調に溜まってるし。メンテナンスも完璧。あとは、過去に行くだけね」