「ここでいいですか？」

　トランクスが指したのは、一軒のレストランだった。

　友達とよく行く、ファミレスのような外観に馴染みを覚え、佳奈は「はい」と頷いていた。



　午後二時を回った中途半端な時間ということもあり、店内は空いていて、佳奈とトランクスは空いてる席に腰を下ろすと、早速メニュー表に手を伸ばした。

（どんなメニューがあるのかな？）

　少しドキドキしながらメニュー表を捲ったが、メニューも外観同様、ファミレスと同じで

（何だ……）

　拍子抜けしつつも、やはり、自分が住んでいた世界とあまり変わらないこの世界に、佳奈は抵抗が無くなってきていた。

「遠慮せず、食べたい物を頼んで下さいね」

　向かいに座るトランクスから、そう声をかけられ

「は、はい」

　佳奈はメニュー表に目を通すと、目に留まったオムライスを注文することにした。

「ごゆっくりどうぞ」

　テーブルに運ばれてきた料理に手を合わせ、二人は遅めのランチを食べ始めた。

　運ばれてきたオムライスは、佳奈の知る、至って普通の、デミグラスソースのかかったオムライスだった。

　そして、トランクスが頼んだハンバーグランチセットもやはり普通で、美味しそうなハンバーグがグリルプレートに載っている。

　思った通りの味に安堵しつつも、何となく不思議な気持ちで、佳奈がオムライスを食べ進めていると

「こっちの料理はどうですか？」

　トランクスが声を潜め、尋ねてきた。

　それに

「美味しいです」